職場のトイレ詰まりの話です。
勤めていたのは健康食品を販売する小さなお店で、トイレは従業員が使用するための
ものが1つだけありました。
基本的にお客様にはご利用を控えて頂くのですが、どうしてもと言われる場合は
お貸しすることがありました。
その日40代くらいの男性が、青い顔をして来店されました。
開口一番、トイレを貸して欲しいと言います。
常連さんならまだしも、初めて見る人です。
買い物もせずにトイレだけ?と思いましたが、切羽詰まっていた様子なので
お貸しすることにしました。
30分ほどトイレに籠られていましたが、ちょうどお店も立て込んで来た時間帯で
気にしてもいられませんでした。
そのうち、男性はいつの間にかいなくなっていました。
ジュースの1本でも買って行くのが常識では?と思いましたが、
たぶんもう来店されることはないでしょう。
気持ちを切り替えて仕事に打ち込みました。
しばらくして、私もトイレがしたくなったので行ってみると
トイレのドアの前が水浸しです。
嫌な予感がしてドアを開けると、トイレの水が溢れ、
トイレットペーパーは飛び散り悪臭も漂っていました。
男性がトイレットペーパーを使いすぎて詰まらせたようでした。
業者に連絡をしたかったのですが、経費削減を言い渡されているので
まずは自分で掃除することにしました。
詰まったペーパーを取り出しては、ラバーカップでスッポンスッポンと
繰り返し1時間ほど格闘してようやく水を流せるようになりました。
それ以来、よほど信用のおける常連以外のお客様には、トイレを貸さないように
徹底しました